PASTEXPERIENCE HISTORY

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19世紀前半ごろ|江戸後期の町

江戸の暮らしを支えた水と商い

長屋の外へ目を向けると、大きな都市を動かした仕組みが見えてくる。

動かしてわかる歴史

地中を通って届く江戸の水

上水ができたら、各家に蛇口が付いた?

街の外から江戸へ水を引く上水の道。住まいと水源をつなぐ。
01水を引く
上水街へ引く水

街の外から、水の通る道をつなぐ。

町の外から水を引く

江戸の上水は都市へ水を導き、暮らしを支える設備だった。川が近くにあることだけで、その水をどこでも飲めるわけではない。水源と使う場所を結ぶ工夫が要る。

図解の根拠と見方

工程や制度を説明するためのイメージです。人物・建物・配置は実物の復元ではありません。断面や別枠の場面は、見えない部分や別の場所を説明しています。

東京都水道局・江戸時代の水道 ↗

水を引く

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街の外から江戸へ水を引く上水の道。住まいと水源をつなぐ。

街の外から江戸へ水を引く上水の道。住まいと水源をつなぐ。

長屋の外にも暮らしの設備がある

長屋で水をくむ場所は、必ずしもその下の地下水だけを使っていたわけではない。江戸には遠い水源から引いた上水を、町の地下の樋へ分ける設備があった。長屋でくむ一桶の水も、取水や水路の管理、町への配水、設備の修理を担う人々が届けていた。人が密集する町の暮らしは、部屋の外にあるこうした仕事に支えられていた。

木造の家が近くに並ぶ場所では、火の扱いと道の見守りも暮らしに関わる。町の木戸、番屋、火の見は、誰が出入りし、何が起きたかを確かめる場所だった。現代の家のように、生活に必要な設備が一戸の中にそろっていたわけではない。住人たちは室内の道具に加え、通りや共同の場所にある設備を使って暮らしていた。

水源から町へ水を届ける

1652年、幕府は多摩川の水を江戸へ引く計画を立てた。1653年に水路を開き、1654年に地下の配水設備を整えて市中へ給水した。取水点から四谷までの開いた水路と、その先で町に分ける石樋や木樋は役割が違う。幹線で運んだ水を町の石樋や木樋へ分け、住人が使う場所まで届けていた。

水は標高差を利用して流れたため、経路の高さを測り、傾きを整える必要があった。川に近くても、必要な傾きがなければ水は届かない。水源と幹線、町の配水設備を結ぶ土木工事が給水を支えた。水場で桶を満たすまでに、水は遠くの取水点から長い水路を流れてきていた。

店の商品を海と川で運ぶ

江戸の商店へ届く品は、近郊の生産と遠方からの海運を組み合わせていた。上方からは木綿や油、紙などが船で運ばれ、他の地域で作られた品が江戸の暮らしに使われた。品を港へ下ろしてから店へ届けるにも荷役と運搬が要る。海が輸送を担い、川や通りがその先を結ぶことで、同じ町に違う産地の商品が集まった。

水路を修理する人がいて、船荷を下ろす人や店で分けて売る人がいた。大量の商品を消費する江戸には、こうした供給をつなぐ仕事も集まっていた。長屋の食事や買い物は、遠くの水源や生産地から届く水と商品に支えられた。江戸の豊かな暮らしは町の外の供給にも依存していた。

前後の流れ

  1. 1652年

    幕府が多摩川の水を江戸へ引く計画を立てる。

  2. 1653年

    玉川上水の開削工事を行う。

  3. 1654年

    地下の配水管を整え江戸市中へ給水する。

  4. 19世紀前半ごろ

    水路と海運に支えられた江戸の町人生活。

言葉の意味

上水
生活用水を都市へ運ぶ水路。
長屋
複数の住まいが連なる都市の住宅形式。
菱垣廻船
大坂と江戸の間で木綿、紙、油などを運んだ廻船。

史料から分かること

市中の水は遠い取水点から届いた。

水道局が羽村から四谷大木戸の経路を示す。

史料だけでは分からないこと

家庭ごとに現代の蛇口があったとは言えない。

海運が江戸の消費を支えた。

博物館の商業展示が廻船と運搬品を扱う。

史料だけでは分からないこと

江戸の物を全て市内産と考えない。

理解を確かめる

答えを選ぶと解説が表示されます。本文や資料を読み返しながら考えてみよう。

1. 玉川上水の開渠と町なかの樋は、水を届けるうえでどんな役割の違いがあった?
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参考資料

  1. 常設展・江戸の商業と町江戸東京博物館

    長屋と町の施設、菱垣廻船、近郊の物流、江戸後期の商い。

  2. 玉川上水を巡る江戸東京博物館

    玉川上水の経路、距離、市中への水供給。

  3. 玉川上水東京都水道局

    羽村から四谷への約43キロの水路と、市中の地下に設けた石樋・木樋の配水管。