PASTEXPERIENCE HISTORY

本能寺、江戸、ポンペイなどの言葉で検索できます。

場所から探す

約2万年前(年代には幅がある)

ラスコーの壁画

文字のない時代に描かれた動物たち。壁画の配置や線の重なりから、描き手の仕事を探る。

洞窟に描くという仕事

なぜ洞窟の奥に大きな動物を描いたのか。初期の研究は、牛に伴う矢のような記号を狩猟の願いと結びつけた。しかし、記号は全ての洞窟にはなく、食べた動物の骨と絵の動物も一致しない。残る図像を一つの目的だけで説明することには限界があった。

石と顔料から生まれる絵

岩壁は平らな紙ではない。描き手は凹凸を選び、石器で刻み、細かくした顔料を刷毛などで置き、吹き付けも用いた。輪郭を引く作業と広い面を塗る作業を使い分け、大きな胴体を壁に収めた。

1988〜1999年のオージュラの調査は、馬、オーロックス、シカの順に重なる構成を指摘した。毛並みを春、夏、秋の特徴と結びつける解釈も示した。線の重なりから制作の順序を調べ、その順序に季節の意味があるかを探った研究だった。

絵が伝える人間の活動

1957年のラミング=アンペレールは図像の組合せを、ルロワ=グーランは洞窟内の配置を研究した。一頭の意味から、複数の絵が作る空間へと問いが広がった。線の重なりは制作の前後を伝えるが、その順序に季節や儀礼の意味を読み取るには別の検討が要る。

前後の流れ

  1. 約2万年前

    制作年代の目安。幅のある推定。

  2. 1957年

    ラミング=アンペレールが空間配置を研究。

  3. 1988〜1999年

    オージュラの調査が描く順序を分析。

言葉の意味

重なり
線や色が上下に重なること。前後関係を調べる手がかり。
年代測定
試料の年代を測る方法。測った対象と推定対象を区別する。
仮説
証拠を説明する案。新しい調査で見直されうる。

史料から分かること

描く順序は調べられる。

重なりと配置の調査が根拠。

史料だけでは分からないこと

作者の会話や動機の記録ではない。

年代は幅をもつ。

洞窟の骨・角の測定と比較による。

史料だけでは分からないこと

全壁画が同時に描かれた証明ではない。

理解を確かめる

答えを選ぶと解説が表示されます。本文や資料を読み返しながら考えてみよう。

1. 絵の線の重なりで制作順が分かった。そこから言えることは?

参考資料

  1. Datation des figures de Lascauxフランス文化省

    骨・角の年代測定と壁画年代の推定幅。

  2. Interpretationsフランス文化省

    壁画の配列と解釈をめぐる複数の仮説。

  3. 壁画を描く技術フランス文化省

    顔料、石器、磨り石、刷毛、吹き付けと線刻。