湖の中に築かれた都
湖の中の都市は、なぜ孤立しなかったのか。メシカの都テノチティトランは、堤道で陸へ、水路で周辺の生産地へつながった。中心の神殿は政治と信仰を示し、町へ食料を届ける仕事がその活動を支えていた。
テンプロ・マヨールは、雨と水のトラロックと、メシカの守護神ウィツィロポチトリへ捧げられた。中心の区域には鷲の家や祭祀の設備もあった。湖の利用だけでは、なぜ中心で大きな神殿を増築したかは説明できない。都市の供給の仕組みと、王権と信仰を表す空間は別の役割をもっていた。
チナンパ、舟、水路
チナンパは水に浮かぶ島ではなく、浅い水域に造成した農地だ。ソチミルコに残る農地のような周辺の生産地から、舟で食料を運び、堤道では陸の交通を使った。一方、神殿の床には沈下と洪水へ対応して重ねた場所もある。湖の水を農業や運搬に利用する一方で、建物を水害から守る工夫も必要だった。
征服で変わった都市の行方
1521年の征服にはスペイン勢力と先住民の同盟軍が関わり、旧都の上に新しい首都が造られた。以前の道と水路、先住民の職人の仕事も後の町に影響した。増築を重ねた神殿の層や、その上の植民地期と独立後の都市からは、同じ土地で起きた破壊と継承をたどれる。
前後の流れ
- 1325年(創建伝承)
メシカの都の創建年代として伝わる。
- 1521年
スペイン勢力と先住民同盟軍が都を征服。
- 1987年
メキシコ市歴史地区とソチミルコが世界遺産登録。
言葉の意味
- メシカ
- テノチティトランを中心とした人々の呼称。
- チナンパ
- 浅い水域に造成した農耕地。
- 堤道
- 水域を横切り陸地を結ぶ道。
史料から分かること
創建伝承の年と、発掘で確認できる建設の時期は資料の種類が違う。1325年を全建物の完成日として扱わない。
1325年という創建伝承、湖上都市・堤道・神殿と発掘。 旧都の上に造られた市街、水路、人工の農耕地チナンパ。
創建伝承には資料間の年代差がある。
チナンパは浅い水域に造成した農耕地で、自由に漂う浮島ではない。水の環境を利用して土地と移動路を組み合わせた。
1325年という創建伝承、湖上都市・堤道・神殿と発掘。 旧都の上に造られた市街、水路、人工の農耕地チナンパ。
残る水辺の景観を古代全体と同一視しない。
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参考資料
- Templo MayorInstituto Nacional de Antropología e Historia
1325年という創建伝承、湖上都市・堤道・神殿と発掘。
- Historic Centre of Mexico City and XochimilcoUNESCO World Heritage Centre
旧都の上に造られた市街、水路、人工の農耕地チナンパ。
