
活字を組み替えてまた刷る
木に一頁を彫る方法と、一文字ずつ組む方法は何が違う?

金属活字組版活字のケース
紙へ移す前の、文字のまとまり。
一文字ずつ並びを変える
金属活字を行と頁へ組む。ここに描いた文字は説明用で、実在の聖書の文面ではない。頁全体を一つの版に彫る方法とは違い、文字をばらして別の文章へ組み直せる。
印刷の世界史の中のマインツ
同じ本文を何部も刷っても、頭文字の色は一冊ごとに違う。グーテンベルク聖書には、印刷と手仕事が共存する。金属活字は西欧だけの始まりではなく、高麗の清州で1377年に刷られた『直指』も残っている。
文字を再利用して本を作る
活字を文章に組み、インクを付け、紙や羊皮紙へ圧力を加えて刷る。誤りを確かめ、組版を解けば、文字は別の文章に再利用できる。長い聖書の制作には、この循環を続ける材料と人手が要った。装置があっても、調達、並べ直し、確認の仕事はなくならない。
印刷と手仕事が重なるページ
刷っただけでは、現在見る一冊の聖書にならない。見出しや頭文字を彩り、紙を綴じる工程が残る。本文をそろえて複製する新技術は、手で仕上げる技能をすぐ消したのではなく、本づくりの分担を変えた。
前後の流れ
- 1377年
清州で直指を金属活字印刷。
- 1454〜1455年頃
グーテンベルク聖書の制作。
- 1930年
羊皮紙の聖書を議会図書館が購入。
- 2001年
直指が世界の記憶に登録。
言葉の意味
- 活字
- 並べ替えて文字を組む個別の文字の部材。
- 手彩色
- 印刷後などに人が色や装飾を加えること。
- 校正
- 誤りを確認して直す作業。
史料から分かること
現存する最古の金属活字本と、西ヨーロッパで大きく影響した印刷本は違う問いだ。地域を指定して「最初」を読むと先行した仕事を消さずに済む。
西ヨーロッパの金属活字聖書、制作と紙・羊皮紙。 清州で金属活字を用いた現存最古の印刷本。
史料だけでは分からないこと
現存最古は歴史上最初の全作品と同義ではない。
組んだ活字を確認せず刷ると同じ誤りが複数の紙へ残る。速く増やす技術には、確認と訂正の工程も必要になる。
西ヨーロッパの金属活字聖書、制作と紙・羊皮紙。 清州で金属活字を用いた現存最古の印刷本。
史料だけでは分からないこと
想像した工房の会話は制作記録ではない。
理解を確かめる
答えを選ぶと解説が表示されます。本文や資料を読み返しながら考えてみよう。
参考資料
- グーテンベルク聖書Library of Congress
西ヨーロッパの金属活字聖書、制作と紙・羊皮紙。
- 1377年の直指UNESCO
清州で金属活字を用いた現存最古の印刷本。
- 手彩色のある聖書ページBritish Library
所蔵番号C.9.d.3の1455年のページに手で加えた彩色と見出し。


